土地改良区とは?

土地改良区の主な仕事

農作物を栽培する上で必要な用水を確保するための水源確保や用水路の整備・管理、農地や地域の雨水、排水などを安全で確実に排除するための排水路の整備・管理、水田や畑地の整備などを行っています。
土地改良区は、安全でおいしい農産物を安くたくさん届けるために、農家の人たちが農作業をしやすくするために次のような仕事をしています。


田んぼや畑地に水を入れます

川やダムから取り入れた水を各農家の田んぼや畑地に公平に水がいきわたるように調整しています。

昔は雨が降らず、干ばつになると少ない水を求めて村と村との間で「水争い」が絶えませんでした。このような争い事が起こらないように、土地改良区が川やダムから取り入れた水を公平になるように調整しています。

地域の皆様の理解とご協力を得ながら、用水資源を大切に守り、田んぼや畑地に水をいれることで豊かな農村づくりのお手伝いをしています。









若木地域の畑地かんがい

畑地かんがいとは?
畑地かんがいとは、果樹園(畑地)に水を引くことです。

若木地域は、昔から水の便が悪く、水田には向かない地域で、果樹・果物を生産することで発展してきた地域です。昔から水を引く事が念願であり、昭和54年に入集落の上流部に「白水川ダム」がつくられるのをきっかけに”若木地域にも水を!”と農家の方々が要望し、昭和61年から畑地かんがい施設工事が始まりました。平成8年3月までの10年間で費用は45億円かかりました。

白水川ダムから県道、市道、その他道路の地下に水道のように管をうめて、若木地域に水を引いています。大きい管と小さい管合わせると長さが、なんと!81Kmにもなります。さらに、個人ごとの果樹園の地下にも管が入っており、その長さは260Kmにもなります。果樹園まで引いた水は、決められた時間になるとコンピュータが動作し自動で水がかかるようになっています。


受水槽
■受水槽
ダムからもらっている畑地かんがいの水を入れる施設です。ダムから送る管は450mmと丈夫で太くで、この管を通じて受水槽に水が入ってきます。

ファームポンド
■ファームポンド
水を貯める役割と貯めた水を果樹園に送る役割を果たします。ファームポンドは8つあり果樹園の面積によって大きさは様々です。

■電磁弁
水道の蛇口と同じはたらきで開け閉めを自動で行います。果樹園1つずつで約1,200個あります。
ファームポンド
■東根市土地改良区事務所 及び 集中管理棟
畑地に対する散水の制御や、ファームポンドや各施設の運行状況の監視を行っているのが集中管理棟です。東根市土地改良区の事務所にもなっており、組合員の利便を図るため【東西】に分類し、小田島事務所と二事務所制を取っております。




水路や田んぼ及び畑地を整備します

農地や農業用水は、食料の安定供給に欠かせない基盤であるとともに、国土の保全や美しい農村景観など多面的機能を持つ大切な資源です。

国・県・市町から補助金をいただきながら、川から取り入れた水が効率よく田んぼや畑までながれるように曲がった水路をまっすぐにしたり、幅の広い水路を造ったりします。

また農家の人たちが作業しやすいように田んぼの形を整えたり、大型機械が作業できるように大きな区画に整備します。これらを「ほ場整備」といいます。



転倒ゲート転倒ゲート

転倒ゲートとは、下流域で用水路の水が不足しているために排水路の水を再利用し用水として補う施設です。

しかし、大雨や台風時には排水路の水が田んぼに溢れる恐れがあるのでそういう時にいちいち水門を開けるのは危険ですので、水位が一定の高さまで来た場合、自動的に扉が倒れる仕掛けとなっています。

下のような構造になっています。水位が80cmになると扉が倒れます。






施設を管理します

河川の水を堰き止め用水路に水を取り込む「頭首工(堰)」、用水を農地まで届ける「用水路」、農地などからの水を集めて川に戻す「排水路」、山間部の水を貯める「ダム」、「ため池」、河川の水を用水路にくみ上げる「揚水機場」など様々な農業水利施設が区域内にあり維持管理されています。

「ほ場整備」「畑地かんがい」などで造った施設が何年もたつと壊れたり機械が錆びて使えなくなったりします。

これらの施設が壊れる前に点検・修理して、施設を長く使えるようにします。


経年劣化による破損

このように土地改良区は組合員の共同施設である土地改良施設を、地域ごとに維持管理費を徴収し、施設の長寿命化を目的に少ない経費で維持管理を実施しておりますが、どうしても形のあるものは経年劣化により破損いたします。その劣化した施設の破損は予想外に時間を問わず発生いたします。

【若木地区の経年劣化による破損…加圧機場のパッキンの劣化で漏水した状況】

受水槽
■F−5加圧機場内漏水
老朽化した設備が壊れ、破損箇所から漏水が発生します。流れる水量から強い水圧がかかり、水が施設の天井まで吹き出しています。

ファームポンド
■F−8加圧機場内漏水
漏水は、あっという間に施設を水浸しにしてしまいます。水圧・水量の異常を監視し、迅速な修理保全にあたることで、地域への用水供給を維持しています。




水路の清掃活動を行います

農地や農業用水を守り育て、豊かな地域資源を次世代に引き継ぐ役割を担っております。ふるさとの環境を育んでいる緑豊かな資源を大切に保全することを通じ、豊かで住みよい農村づくりを目指して、自治体を始め、地域住民の方々の理解と協力を得ながら、積極的に活動しています。

水草 ・ 木の枝をはじめとした農業廃棄物、スーパーのビニール袋 ・ 空き缶 ・ペットボトルなど一般家庭のゴミまで水路に捨てられています。そのゴミを取り除く作業や草刈りなどを行い、きれいな水路を保つ活動を行っています。

地域の住民の方と一緒に川をきれいにするイベント活動も行っています。
お近くの水路で、清掃や草刈りなどの活動が催されましたら、是非ご参加ください。









地域貢献活動 [21世紀土地改良区創造運動]

東根市土地改良区では、地域内小学校を対象とした「水」「土」「里」との関わりについて、毎年土地改良施設の紹介や水路に棲む生き物調査を実施し、施設と地域との関わりについて考えるきっかけづくりを図るとともに、子供たちに市内の農業環境や身近な自然とふれあう時間を提供しております。

平成22年8月31日(火) 午前9:00〜
  東郷小学校4年生 生徒数17名 先生2名

 転倒ゲートの操作体験

平成22年8月26日(木) 午前8:30〜
  大富小学校4年生 生徒数49名 先生2名
平成22年7月6日(火) 午前8:30〜
  高崎小学校4年生 生徒数14名 先生3名
平成22年6月11日(金) 午後1:20〜
  東根中部小学校3年生 生徒数144名 先生7名